ダイヤモンドメディア株式会社 ダイヤモンドメディア株式会社

CULTURE文化・制度

代表インタビューSTORY

vol.01

初めての起業に失敗し、会社経営の意味を考え直した

ホラクラシー経営に向かうきっかけとなった創業者の経験

vol.01

ミュージシャンになりたかった学生時代

まずは武井さんが起業する前のお話から伺います。幼い頃から経営者になりたいという想いがあったのですか?

武井 いいえ。僕は横浜の、ごく普通の公立中学・高校を卒業しました。小学生の頃からミュージシャンになるのが夢で、中学に入ってすぐにバンド活動を始めました。

経営者になることは考えていませんでしたが、その世代の中では目的意識を強く持っていた方だと思います。自分の人生において、どうキャリアを積んでいくかということを常に考えていました。中学では野球部とバンドを併行してやっていたのですが、高校に入って野球はやめ、アルバイトをしながらバンドを続けました。

高校3年頃には作詞作曲をし、色々なバンドの大会に出て、県大会で優勝したり全国大会で受賞をしたこともあります。もう自分はこっちの方向に行くしかないと確信し、高校卒業後は留学をさせてもらってアメリカの大学の音楽学部に入学しました。実はこれが、僕とビジネスとの出会いになったんです。

ビジネスを身近なものだと感じさせたアメリカでの経験

武井 アメリカでできた友人から、ものすごく大きな影響を受けました。彼は中国系のアメリカ人で、まだ20代前半なのに、リサイクル屋、レストラン、クリーニング屋、ネットビジネス――と、いくつも自分のビジネスを手がけていて。

それがかっこいいな、と思うと同時に、ビジネスに対する見方が変わりました。日本にいた頃は「ビジネスとはスーツを着て名刺を持ってやるもの」というイメージがあったんですけど、アメリカでは「自分の好きなことや得意なこと」で「他の人ができないこと」を代わりにやってあげるという、ただそれだけのシンプルなものに見えました。

車が好きで、中古車を安く仕入れて自分で直し、それを売って生計を立てている知人なんかもいたりして、彼らを見ていたら、「ビジネスって本来そういうものだよな」と。ビジネスを身近に感じ、「俺にもできるんじゃないかな」と思ったのが、起業を考えた最初のきっかけでした。

友人を誘って起業するも、一年で倒産

武井 写真

ダイヤモンドメディアの前に、別の会社を起業したんですよね?

武井 22のときに帰国し、ミュージシャンをやりながら人生初の起業をしました。友達を誘い、ファッション関係のメディア事業を始めたのですが、結論から言うと……、思いっ切り失敗。1年かけて会社をつぶしたんです。

キャッシュフローは全然回らない状態で、借金もあって、うまくいかない会社を運営するのはものすごく大変でした。でも何よりもショックだったのは、友達の人生をめちゃくちゃにしてしまったということです。1人は大学を中退し、もう1人は大手企業を辞め、彼らも借金をして手伝ってくれていたんです。会社を精算したとき、「俺は何をしたかったのかな」と大きな疑問が生じました。

会社を立ち上げたときのことを振り返ると、当時は自分のやりたいことが中心にあって、そのために手伝ってくれ、ただそれだけだったと思います。元々お金に固執するタイプではありませんでしたが、「何か大きいことをしてやりたい」みたいな野心はすごくあって、そのフィールドが音楽かビジネスか、自分の中ではそんなに違いがなかった。でも、それは独り善がりのエゴだったのではないかと。当時持っていた「世の中に価値を残したい」という思いって、「お金が欲しい」という欲望と変わらないぐらい、個人的な目標だったんですね。会社の経営とはそういうものではない、世の中にとって本当に価値のあることでないと仕事をする意味はない、そう気付いたんです。

これが今、ダイヤモンドメディアをホラクラシーと呼ばれるスタイルで経営するようになったきっかけです。この経験がなければ、こういう特殊な経営をしようとは、絶対に思いませんでしたね。

関わるもの全てに貢献することを目指し、ダイヤモンドメディア創業

DIAMONDMEDIA

その後、ダイヤモンドメディアを立ち上げることになったのはなぜですか?

武井 ダイヤモンドメディア共同創業者の小林と染谷とは、最初の会社をやっているときに知り合いました。彼らも別のビジネスをやっている中で色々と折り合いがつかないことがあったようで、「やるべきことに集中できる新しい環境を創りたい」という想いが一致したのが、創業のきっかけです。

最初の起業の失敗を経て、どんな会社を創ろうと考えましたか?

武井 すごくシンプルに言うと、「会社は関係する人だけではなく、関わるもの全てに対して貢献できる存在でないと意味がない」と考えていました。お客さんに貢献するのは当たり前ですが、一緒に働いている仲間、それから事業パートナー、地域社会、国、なんだったら自然環境も、全てに対して貢献できる存在でないといけない。どこか一つでも犠牲にしたら、他に貢献していたって意味がないと。

「こういうビジネスをやりたい」とか、「この事業で世の中を変えたい」というのは全くなくて、「関わるもの全てに対して貢献する」、それを純粋に追及したいと思って創ったのが、ダイヤモンドメディアなんです。