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代表取締役退任について:武井浩三

カテゴリー: ご報告,経営について

武井浩三です。

すでにコーポレートサイト等でお知らせしておりますが、2019年9月末をもって、ダイヤモンドメディア株式会社の代表取締役を退任する運びとなりました。
2019年10月1日より、現在取締役を務める岡村雅信が新代表取締役に就任します。
私は2019年12月末までは顧問としてダイヤモンドメディアに多少の関わりは持ちますが、基本的に10月以降は新たな道に進む予定です。

今回の発表にあたり、私個人に対しても、ダイヤモンドメディアに対してもさまざまなお声をいただいたこと、改めて皆様に感謝申し上げます。
お取引先様や関係者の皆様に、正確な経緯と私の思いをお伝えできればと思い、ここに今回の役員人事変更に至るプロセスを記しておきたいと思います。

役員人事変更までのプロセス

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、当社では毎年5月に役員選挙を実施しています。
今期も例外ではなく選挙の準備を進めていたのですが、そこで今までになかった動きがありました。
これまで「立候補」を基本的に受け付けてこなかったのですが、「立候補したい」と自ら手を挙げたメンバーがいたのです。
それは、創業時からダイヤモンドメディアを支え続けてきた関戸翔太でした。

「ダイヤモンドメディアをもっとよくしていきたい。自分が立候補することで、みんなが会社のことや選挙のことを改めて考えるきっかけにしてほしい」と熱く語る彼に、社内には新しい流れが生まれました。
今年の選挙を立候補制にしようという動きが発生し、「それじゃあどういう仕組みにしようか?」と複数のメンバーが考えてくれました。
すると選挙期間中にもう一名、立候補したいという声が上がりました。
資本政策を中心に、バックオフィスや総務周りを一手に引き受けてきた、中根愛です。
昨年まで社外にも「投票可能」としていた制度を変更し、社内のみの投票としました。
蓋を開けて見ると、なんと関戸・中根が同数の票を獲得するという展開になりました。

この選挙をきっかけに、ダイヤモンドメディア社内には少しずつですが、大きな変化が生まれたように思います。

選挙の際には、私も岡村も立候補はしませんでした。
しかし、実際に役員の変更を決定していく局面になり、私の心に大きな葛藤が生まれました。
今思うと、選挙期間中に「会社をよりよく変えていきたい」という声が出てきた時点で、今回の退任について私の中ではうっすらと見えていたように思います。
私自身、ダイヤモンドメディアの代表として活動しつつも、近年は社外での活動がかなり増えてきていました。
「武井さんは何をしたいんですか?」という質問に対して、「いい社会を作りたい」「いい世の中を作りたい」という答えが浮かんできていたのですが、このような抽象度は、既にダイヤモンドメディアという企業活動の中で実現するには少し、ずれてきていたように思います。

しかし、ダイヤモンドメディアのことは大好きですし、思い入れも人並み以上にありました。
そこでおよそ3ヶ月をかけて、ダイヤモンドメディアの経営に関わるメンバーと何度も話し合いを重ねました。
正直に言うと、その話し合いの中で自分自身の感情と折り合いをつけてきた部分がかなりあります。

これは非常にダイヤモンドメディアらしい展開だなと思うのですが、そうした話し合いにおいて一貫していたのは「誰が代表をやるのか」「代表をやりたいのか」という個人の人事に対する話ではなく、
「ダイヤモンドメディアにとって今、どう進んでいくのがいいのか」という視点を皆が持ち続けていたことでした。

不動産業界において、特に2018年の後半頃から「不動産テック」というマーケットが認知され、これまで各社で取り組んでいたIT化の流れが一気に業界全体に広がる兆しを見せ始めました。
海外の状況などは簡単に比較できるものでもありませんが、それでも国内外の投資家をはじめとして不動産テック企業への視線は熱く、事実としてダイヤモンドメディアの競合他社たちが大型の資金調達をはじめとする資本政策に乗り出し始めました。
そうした中で、自分たちがどのように動いていくのがより良い道なのか、そしてその道のりにおいて「代表」というポジションに就く人間は誰が適しているかを何度も考えました。

私はこれまで「自然(じねん)経営」というコンセプトで組織運営を考えてきていて、「組織の成長を生き物の成長と同じように捉える」という視点を持ってきました。
生物にとって最善の道は、外部環境に最適化していくことです。
そうしたことを考えていく中で、メンバー一人一人から様々な意見が出ました。

最終的に、岡村が「自分が代表をやる」と声を挙げ、私も彼の覚悟を感じ、次の道に進むことを決心がつきました。

これから進む道について

退任を決意してからも、少しの間、「ダイヤモンドメディアロス」がありました。
創業して12年。ダイヤモンドメディアの武井として生きてきましたので、当然だと思います。
しかし現在は、これから進む道への期待と、これまでの流れの必然をひしひしと感じています。

私は、限界に達しつつある資本主義経済の次の社会システムを長年構想してきました。

金融システム、経済システム、都市開発、教育、福祉、地域コミュニティ、地方創生、SDGs、ESG投資、社会的インパクト。

次の社会システムを思い起こさせるキーワードは多数ありますが、そういった方向のプロジェクトに横断的に関わり、新しい社会システムの実現のために活動していきます。

例えば、地域通貨やトークン経済圏など、「新しい通貨」をつくるという取り組みに既に関わっています。
今まで、「所有」と「支配」が経済の中心を占めていた世界を、「共有」と「共感」に置き換えていく事に関心を持っております。

もちろん長年お世話になった不動産業界では今後も関わり続けていきます。
設立時より代表理事を務めさせていただいた(一社)不動産テック協会を通じて、行法改正や規制改革などの活動を続けていきますし、地域活性や地方創生などの文脈で今まで得た知識経験や人のご縁を活かしていくつもりです。

これまでダイヤモンドメディアでお世話になった皆様、本当にありがとうございました。
またどこかでご一緒できる機会があれば、ぜひお話ししましょう。
そして、今後のダイヤモンドメディアにどうぞご期待ください。私自身もダイヤモンドメディアを応援する一人として、見守り続けたいと思います。

2019年9月 武井浩三